韓国知識財産処は、2025年の知的財産権の出願・審査・審判・訴訟に係る統計資料を発表した。その主な内容を要約すると、以下のとおりである。
▶ 知的財産権出願
2025年に韓国知識財産処に出願された知的財産権の出願総数は649,292件であり、2024年に比べて3.9%増加した。
特許出願のうち、80.3%は韓国法人/個人によるものであり、19.7%は外国法人/個人によるものであった。韓国に最も多い特許出願を行った外国出願人の国籍は、米国(14,891件)、日本(14,525件)、中国(6,352件)、ドイツ(3,577件)、スイス(1,847件)、フランス(1,457件)、イギリス(1,104件)の順であった。
<2025年知的財産権の出願件数>
| 特許 | 実用新案 | デザイン | 商標 | 合計 | ||
| 出願件数 | 260,797 | 2,634 | 60,935 | 324,926 | 649,292 | |
| (前年比増減率) | (▲5.9%) | (▲7.9%) | (▲1.6%) | (▲2.8%) | (▲3.9%) |
▶ 特許出願審査
2025年には、総207,365件の特許出願に対して実体審査が請求された。また、審査結果として、韓国知識財産処は207,489件の意見提出通知書、48,318件の拒絶査定書、150,181件の特許査定書を発行した。特許事件の特許査定率は、74.8%であった。
特許査定率は、2016年の60.0%から2025年の74.8%まで上昇し、着実な増加傾向を維持した。2023年に僅かな減少が見られたものの、2024年と2025年に再び上昇し、特許査定率の全般的な上昇傾向が続いた。
<2016年~2025年特許査定率の推移>
| 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | ||
| 特許査定率(%) | 60 | 63.1 | 65 | 68.8 | 72.2 | 74 | 74.3 | 72.9 | 74.6 | 74.8 |
審査請求日から最初の審査結果(意見提出通知又は特許査定)が通知されるまでの所要期間は、2025年には平均14.7ヶ月であった。これは、平均所要期間が約16.1か月であった2024年より短縮されたものであり、特許審査の処理速度が改善されたことが示された。
▶ 特許審判
2025年に特許審判院に提起された特許関連の審判件数は、総2,064件であり、2024年に比べて9.9%減少した。これを審判請求人別にみると、1,391件(67.4%)は韓国法人/個人によるものであり、673件(32.6%)は外国法人/個人によるものであった。一方、審判の性格によって区分してみると、639件(31.0%)は当事者系事件であり、1,425件(69.0%)は査定系事件であった。
審査官の拒絶査定に対して特許審判院に不服審判が提起された件数は、1,097件であった。審判院が2025年に審理した特許拒絶査定不服審判事件は、1,196件であったが、このうち、379件については審査局に差し戻されて再審査されたか、特許審判院により特許査定がなされた。2025年の審判成功率(31.7%)は、2024年(28.1%)よりもやや上昇した。
査定系である特許取消申請については、196件が特許審判院に提出された。審理を行った196件のうち、55件(28.1%)に対して取消決定が下された。
当事者系である特許無効審判については、277件が請求され、340件の審理が行われた。このうち、請求を認容した審決は191件(56.2%)、棄却又は却下した審決は123件(36.2%)であった。残り26件は取下げられた。
▶ 特許法院及び大法院判決
2025年に特許審判院が下した6,514件の知的財産権の審決のうち、430件(6.6%)に対して特許法院に審決取消訴訟が提起された。このうち、特許に関しては、2,137件の審決のうち241件(11.3%)について不服訴訟が提起された。
特許法院が2025年に審理した事件は、総535件であったが、このうち、122件(22.8%)に対しては原告の請求を認容(すなわち、特許審判院の審決を取り消し)し、333件(62.2%)に対しては棄却又は却下の判決(すなわち、審判院の審決を維持)を下した。残り80件は取下げられた。訴提起から特許法院の判決までは、平均で9.7ヶ月を要した。
大法院は、特許法院の判決に対して上告された190件の事件を審理したが、このうち、17件(8.9%)に対しては上告を認容(すなわち、特許法院の判決を破棄)し、150件(78.9%)に対しては上告を棄却又は却下(すなわち、特許法院の判決を維持)した。23件は取下げられた。
▶ その他
韓国知識財産処は、特許審査の品質と効率性を引き続き向上させるため、2026年に人工知能、モノのインターネット(IoT)、コンピュータに関する技術などの先端技術分野を中心として、特許審査官を追加採用する計画であると発表した。
また、2026年の先行技術調査事業の予算も前年比19.9%増額されており、これにより特許審査期間の短縮など、審査手続の迅速化が期待される。