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ニュースレター

韓国特許庁の知財統計(2021年)

  • March 31, 2022
  • 崔光勳弁理士 / 金旻志弁護士
韓国特許庁は、2021年に出願または審査が行われた知的財産権(特許、実用新案、デザイン及び商標)に係る統計を発表した。それをまとめると次の通りである。

▶ 出願統計

韓国特許庁に2021年出願された知的財産権に係る出願件数は総592,615件であり、2020年に比べて6.3%増加した。

出願件 (2020年比減率)
特許 実用新案 デザイン 商標 合計
237,998 4,009 64,787 285,821 592,615
(+5.0%) (-19.5%) (-4.1%) (+10.8%) (+6.3%)
<2021年出願された知的財産権に係る出願件数>


特許出願の中で、約84%は韓国法人/個人により出願された件であり、残りは外国法人/個人により出願された件であった。韓国において知的財産権出願の多い外国出願人の国籍順位は次の通りである:米国(15,512件)、日本(14,165件)、中国(6,294件)、ドイツ(3,738件)、フランス(1,628件)。

2021年における韓国法人の出願人ランキングは次の通りである:サムスン電子(9,857件)、LG電子(4,008件)、現代自動車(2,975件)、LGエナジーソリューション(2,605件)、サムスン・ディスプレイ(2,600件)。外国法人のうち上位5社は次の通りである:東京エレクトロン株式会社(TEL)(687件)、株式会社半導体エネルギー研究所(SEL)(644件)、アプライド・マテリアルズ(Applied Materials)(623件)、ファーウェイ(Huawei)(601件)、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)(546件)。


 特許審査統計

2021年には、総233,055件の特許出願に対して実体審査が請求された。また、審査結果として、164,312件に対して拒絶理由通知が発せられ、46,074件が拒絶された。特許査定になった件は134,388件であり、特許査定率(登録率)は74.0%であった。

一方、過去6年間の特許査定率をみると、特許査定率は2016年には60.0%であったが、毎年増加して2021年には74%の水準まで至った。


年度 2016 2017 2018 2019 2020 2021
特許査定率 60.00% 63.10% 65.00% 68.80% 72.20% 74.00%
<過去6年間の特許査定率>



 特許審判統計

2021年特許審判院に請求された特許審判事件は 総3,353件であり、これを審判請求人別に分けてみると、韓国法人/個人により請求された件が2,119件で、外国法人/個人により請求された件が1,234件であった。また、審判の性格別に分けてみると、当事者系の事件が853件で、査定系の事件が2,500件であった。

2021年、特許に係る拒絶査定不服審判は2,196件が請求された。なお、特許審判院で審理が行われた2,495件の拒絶査定不服審判事件の中、12件は審査前置手続を経て特許査定になり、870件は特許審判院により特許査定になるか、若しくは審査局に差し戻され再び審査を受けることになった。

また、特許取消申請があった件は154件であり、特許審判院で審理が行われた151件のうち、42件は取消決定が下された。

なお、特許無効審判事件において、請求認容審決は195件、棄却または却下審決は178件であった(無効率:52.3%)。



 特許法院による査定系訴訟事件の統計

2021年特許審判院が下した1,660件の査定系特許事件の審決の中、103件に対して特許法院に審決取消訴訟が提起され、出訴率は約6.2%であった。

2021年に特許法院で審理が行われた査定系の特許事件は97件で、その中、15件に対しては認容判決(つまり、審判院の審決を取消す旨の判決)、69件に対しては棄却または却下判決(つまり、審判院の審決を維持する旨の判決)が下された。出訴から特許法院の判決までは平均8ヵ月がかかった。