韓国特許庁は、i)韓日/韓米特許審査ハイウェイ(PPH)の適用を受ける特許出願に対する1次及び2次各々の審査結果の発行期間を3ヶ月に短縮し、ii)優先審査申請の根拠となる項目から「専門機関による先行技術調査報告書」を削除し、iii)優先審査対象である先端技術に、「半導体」分野に加えて韓国で研究開発又は生産する企業の「ディスプレイ装置」及び「二次電池」分野の特許出願を追加することを明らかにした。
▶ PPHを用いる出願の審査期間短縮
韓国特許庁は、2023年8月1日より米国又は日本国登録特許に基づいてPPHを申請した韓国特許出願に対し、1次・2次審査結果の発行期間を各々3ヶ月以内に設定する「PPH改善政策」を施行すると発表した。
改善政策の施行前の特許実用新案審査事務取扱規定によると、韓国特許庁が優先審査を定めた日から4ヵ月内に1次審査結果が発行されなければならず、2次審査結果の発行期間については別途規定が存在しなかった。
新たな政策の施行により、韓国特許庁は米国又は日本国特許に基づいてPPHを申請した特許出願の1次・2次審査結果の発行期限を3ヶ月に設定した。
▶ 「専門機関による先行技術調査報告書」を特許優先審査申請の理由から削除
韓国特許庁は、優先審査申請理由から「専門機関によって作成された先行技術調査」を削除する改正特許法施行令を2024年1月1日より施行すると発表した。
韓国特許技術振興院などの専門機関による先行技術調査報告書を基礎とした優先審査の申請が増えたことにしたがい、一般審査対象である特許出願の審査着手時期が遅延される問題点が提起されてきた。
そこで、韓国特許庁は「専門機関による先行技術調査報告書」を優先審査申請理由から除外し、このような優先審査業務を遂行していた審査人力を半導体、ディスプレイ装置及び二次電池のような先端技術に配置すると発表した。
▶ 韓国内で研究開発または生産が行われる先端技術発明に対する特許優先審査対象の拡大
韓国特許庁は、優先審査の対象となる技術分野にディスプレイ装置(2023年11月より)及び二次電池(2024年)を含めるとともに、2023年10月に終了予定であった先端技術に対する優先審査を2024年10月まで延長して施行すると発表した。このような優先審査は半導体分野の特許出願のみを対象に2022年11月より施行されてきた。
これら先端技術の優先審査要件は以下のとおりである。
i) 関連製品及び装置を韓国で生産する、又は生産準備中の出願人の出願であること
ii) 関連技術の国家研究開発事業の結果物に関する出願であること
優先審査を通じた半導体分野の特許出願の場合、1次審査結果の発行期間が平均1.9ヶ月であったことに照らしてみると、前記要件を満たすディスプレイ及び二次電池分野の1次審査結果発行期間も2ヶ月程かかるものと予想される。