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特許法施行規則の一部改正令案の立法予告

  • June 30, 2025
  • 李桂榮弁理士

韓国特許庁は、2025年4月24日、特許法施行規則の一部改正令案(以下、「改正案」)を立法予告した。今回の改正案は、手続的柔軟性を向上させ、行政の効率性を高めるための趣旨で設けられたものであり、出願人に対し、より親和的且つ予測可能な審査手続きを提供することを目的としている。本改正案は、2025年6月4日までにそれに関する意見を聞いた後、2025年7月から施行される予定である。 

改正案の主な内容は次のとおりである。 
 

 


▶ 拒絶理由通知に対する意見書提出期間の延長 


現行の特許法施行規則第16条第1項によれば、特許法第63条第1項による拒絶理由通知に対する意見書提出期間として審査官が定めることができる期間は2ヶ月以内と限られている。 

この2ヶ月の意見書提出期間は、他の主要国での意見書提出期間(米国及び日本での意見書提出期間は3ヶ月、ヨーロッパ及び中国での意見書提出期間は4ヶ月)に比して相対的に短い期間である。これにより、韓国で特許出願をした出願人としては、制限された期間内に拒絶理由を十分に検討及び対応することが困難になる可能性があり、意見書提出期間の延長を申請せざるを得ない場合、手続的・財政的な負担を負うことがあった。 

この問題を解決するため、改正案においては、拒絶理由通知に対して審査官が定めることができる意見書提出期間をヨーロッパ及び中国と同様に4ヶ月以内に延長することとした。 




▶ 分割出願の場合にも特許可否決定の保留及び審査の猶予を許容  


現行の特許法施行規則第40条の2によれば、審査官は特許出願の審査請求の後、出願人が特許出願日から6ヶ月以内に決定保留申請書を提出する場合には、特許出願日から12ヶ月が経過する前まで特許可否決定を保留することができる。ただし、特許出願が分割出願である場合は、特許可否決定の保留が許容されていない。 


なお、現行の特許法施行規則第40条の3によれば、特許出願人が出願審査の請求をした場合であって、審査請求日から24ヶ月が過ぎた後に審査を受けようとするなら、審査を受けようとする時点(出願日から5年以内に限定される、以下、「猶予希望時点」)を記載した審査猶予申請書を審査請求日から9ヶ月以内に提出することができ、審査官は、出願人の審査猶予申請がある場合には、猶予希望時点まで特許出願に対する審査を猶予することができる。ただし、特許法施行規則第40条の3第3項第1号においては、特許出願が分割出願である場合は審査猶予の対象から除外している。 

そこで、今回の改正案では、分割出願に対する前記のような例外規定を削除し、分割出願においても出願人の申請がある場合、特許可否決定を保留することができ、猶予希望時点まで特許出願に対する審査を猶予することができるようにした。 

これは、最近の特許・実用新案審査事務取扱規程の改正により、分割出願の審査が原出願の審査請求順位ではなく、分割出願の審査請求順位を従うように変更されたにもかかわらず、分割出願に対する特許決定の保留及び審査の猶予を制限する規定が残っており、分割出願の遅い審査を希望する出願人の要求が依然として満たされていない問題点を解決するためのものである。 



▶ 改正案の影響 

 


今回立法予告された改正案は、韓国の特許システムをグローバル標準と調和させ、出願人の便宜性を高める歓迎すべき措置である。特に、出願人が外国人の場合は、延長された意見書提出期間と、分割出願に対する特許可否決定の保留または審査の猶予の恩恵を受けることができる。