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海外直送の偽造商品の韓国への流入制限を強化

  • December 30, 2024
  • 李姃垣弁理士 / 趙埈瑩弁理士

最近、韓国の消費者が海外から直接商品を購入する「海外直送」の規模が拡大する中、偽造商品の韓国への流入も急速に増加している。海外直送が偽造商品の流通の新たな経路として浮上することに伴って、この問題を解決するために政府機関の間での協力が本格化しており、制度の基盤作りも進められている。

 

 

▶ 特許庁・関税庁の協力で偽造商品の遮断システムを本格稼働

 

特許庁と関税庁は、海外直送で流入する偽造商品を遮断するために、今年4月から通関の段階で「海外直送偽造商品取締システム」を試験運用してきた。このシステムは、特許庁が海外直送プラットフォームを取り締まり、偽造商品の販売情報を摘発して関税庁に提供すると、関税庁がこれを通関の段階で遮断するという方式で運用されている。試験運用の6ヶ月間で、合計5,116件の偽造商品を摘発する成果を上げた。

 

 この成果をもとに、両機関は2024年11月15日に仁川本部税関で「海外直送偽造商品の取締のための業務協約(MOU)」を締結し、協力を本格化させることを決定した。また、特許庁はAI(人工知能)を活用した海外直送プラットフォームのモニタリングシステムを来年から大幅に拡大する予定である。これを通じて関税庁に提供される偽造商品の情報が増加し、両機関の協力による効果がより一層高まることが期待される。

 

 

▶ 商標法改正で偽造商品の流入遮断を強化

 

2024年12月3日の国務会議で議決された商標法の一部改正案では、「外国で商品または商品の包装に商標を表示したものを運送業者などの他人を通じて国内に供給する行為」を商標法第2条第1項第11号に規定された「商標の使用」の類型として追加した。このような改正案によって、海外で製造された偽造商品が海外直送を通じて韓国に配送されることを商標権の侵害として規制できるように「商標の使用」範囲が拡大された。

 

特許庁は、今回の改正案を通じて商標権者の権利を保護し、消費者が安全な環境で商品を購入できるよう支援していくつもりである。この改正案は大統領の裁可後、国会で審議・議決される予定である。