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商標法の改正:部分拒絶制度、再審査請求制度の導入

  • March 31, 2023
  • 李姃垣弁理士 / 趙埈瑩弁理士

2023年2月4日より施行されている韓国商標法は、出願人の保護を強化するために部分拒絶制度と再審査請求制度を導入した。主な内容は次の通りである。 

 

 

 

▶ 部分拒絶制度 

 

改正法によると、商標登録出願の審査結果、指定商品の一部のみに拒絶理由がある場合、その指定商品に対してのみ商標登録拒絶決定を下す部分拒絶制度が

導入された。

 

改正前では、指定商品の一部でも拒絶理由がある場合、商標登録出願全体が拒絶決定されたため、拒絶理由のない一部の指定商品のみに対して登録を受けるためには、拒絶理由のある一部の指定商品を削除するか、分割出願を行わなければならなかった。ところが、部分拒絶制度の導入により、商標登録出願の中で拒絶理由のない指定商品に対しては、出願人が別途の措置を取らなくても登録を受けることができるようになった。但し、一部の指定商品のみに拒絶理由のある商標登録出願の出願公告決定は、その一部の指定商品に対する拒絶決定が確定された後に可能であるため、拒絶理由のない指定商品に対して迅速な商標登録が必要な場合、従来のように指定商品の削除補正又は分割出願の措置が依然として活用され得る。 

 

また、部分拒絶制度の導入により、拒絶決定された指定商品の中で一部に対してのみ拒絶決定不服審判を請求することが可能となり、2個以上の指定商品を対象として拒絶決定不服審判が請求される場合、一部の指定商品に対して審判請求を取り下げることも可能となった。 

 

 

 再審査請求制度 

 

改正法では、指定商品範囲の減縮などで商標登録拒絶決定を簡単に解消できる場合、審査官に再審査を請求することができる再審査請求制度が導入された。 

 

従来は、商標登録拒絶決定を解消するために拒絶決定不服審判の請求以外には方法がなかったため、出願人としては拒絶理由のある指定商品を単に削除しようとする場合でも、必ず審判手続きを行わなければならなかった。ところが、再審査請求制度の導入により、出願人は拒絶決定不服審判を請求せずに再審査の請求と共に補正書を提出することができるようになった。再審査請求は、拒絶決定不服審判と同様に商標登録拒絶決定の謄本が送達された日から3ヵ月以内に請求することができる。但し、再審査を請求する際に既に再審査による拒絶決定があるか、拒絶決定不服審判の請求がある場合には再審査を請求することができず、国際商標登録出願の場合にも再審査請求制度を利用することができない。 

 

今回の韓国商標法の改正により、商標出願人の便宜増大と権利確保の機会がより一層拡大すると見込まれる。