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韓国特許庁の2022年知財統計

  • June 30, 2023
  • 崔光勳弁理士 / 金旻志弁護士

韓国特許庁は、2022年に出願・審査・審判又は訴訟が行われた知的財産権(特許、実用新案、デザイン及び商標)に係る統計を発表した。主な内容は次の通りである。


 

▶ 出願統計

 

韓国特許庁に2022年出願された知的財産権に係る出願件数は総556,436件であり、2021年に比べて6.1%減少した。

 

 

特許

実用新案

デザイン

商標

合計

出願件数

237,633

3,084

56,641

259,078

556,436

(2021年比増減率)

(0.2%)

(23.1%)

(12.6%)

(9.4%)

(6.1%)

<2022年出願された知的財産権出願件数> 

 

 

特許出願の中で、約77.3%は韓国法人/個人により出願された件であり、約22.7%は外国法人/個人により出願された件であった。韓国において知的財産権出願の多い外国出願人の国籍順位は次の通りである:米 国(17,678件)、日本(13,860件)、中国(6,320件)、ドイツ(3,703件)、フランス(1,688件)、スイス(1,633件)、イギリス(1,447件)。 

 

2022年における韓国法人の出願人ランキングは次の通りである:サムスン電子(11,417件、▲15.8%)、LG電子(4,722件、▲17.8%)、LGエナジーソリューション(3,384件、▲29.9%)、サ ムスン・ディスプレイ(3,145件、▲21.0%)、現代自動車(2,984件、▲0.3%)。外国出願人のうち上位5社は次の通りである:クアルコム(Qualcomm)(857件、▲99.3%)、東京エレクトロン株式会社(TEL)(707件、▲2.9%)、アプライド・マテリアルズ(Applied Materials)(683件、▲9.6%)、株式会社半導体エネルギー研究所(SEL)(608件、▼5.6%)、ファーウェイ(Huawei)(594件、▼1.2%)。

 

 

 

▶ 特許審査統計 

 

2022年には、総202,508件の特許出願に対して実体審査が請求された。また、審査結果として、155,927件に対して拒絶理由通知が発せられ、41,538件が拒絶された。特許査定になった件は125,619件であり、特許査定率(登録率)は74.3%であった。 

 

一方、過去6年間の特許査定率は毎年増加し、2016年の60.0%から2022年には74.3%の水準まで至った。

 

年度

2016

2017

2018

2019

2020

2021

2022

特許査定率

60.0%

63.1%

65.0%

68.8%

72.2%

74.0%

74.3%

<過去6年間の特許査定率> 

 

 

 

特許審判統計 

 

2022年特許審判院に請求された特許審判事件は総2,521件であり、2021年(3,353件)に比べて24.8%減少した。これを審判請求人別に分けてみると、韓国法人/個人により請求された件が1,633件で、外国法人/個人により請求された件が888件であった。また、審判の性格別に分けてみると、当事者系の事件が674件で、査定系の事件が1,847件であった。そのうち、審査官の拒絶査定に対して特許審判院に不服審判が請求された件数は1,589件であった。 

 

2022年、特許審判院で審理が行われた拒絶査定不服審判事件は2,036件であり、その中、2件に対しては審査前置手続を経て特許査定になり、620件は特許審判院により特許査定になるか、若しくは審査局に差し戻され再び審査を受けることになった。 

 

また、特許取消申請があった件は149件であり、特許審判院で審理が行われた140件のうち、47件は取消決定が下された。 

 

なお、特許無効審判において、請求認容審決は217件、棄却又は却下審決は116件であった。 

 

 

▶ 特許法院及び大法院による査定系訴訟事件の統計 

 

2022年特許審判院が下した1,450件の不服可能な査定系特許事件の審決の中、94件に対して特許法院に審決取消訴訟が提起され、出訴率は約6.5%であった。 

 

2022年に特許法院で審理が行われた査定系の特許事件は102件で、その中、15件に対しては認容判決(つまり、特許審判院の審決を取消す旨の判決)、73件に対しては棄却又は却下判決(つまり、特許審判院の審決を維持する旨の判決)が下された。出訴から特許法院の判決までは平均8.9ヵ月がかかった。 

 

大法院は、出願人又は特許権者が特許法院の判決に不服した22件の査定系の特許事件を審理したが、その中、3件に対しては上告認容判決(つまり、特許法院の判決を取消す旨の判決)、19件に対しては上告棄却又は却下判決(つまり、特許法院の判決を維持する旨の判決)が下された。