最近、韓国特許庁は、「半導体審査推進団(以下、「推進団」)」を設立した。この推進団は半導体の設計から素材、部品、工程に至るまで半導体技術の全分野に対する特許出願を専担して審査する部署である。推進団は主要国中初めて半導体技術を専担する部署として、2023年4月11日付で運営を開始した。
また、一定の条件を備えた半導体出願の審査を加速化するための臨時措置が施行された。半導体出願に対する優先審査の申請は、2022年11月1日から2023年10月31日までの限られた期間内に行われなければならない。
▶ 推進団の組織構成
推進団は下記図に示されたように、既存の3つの「審査課」と新たに新設された3つの「審査チーム」との6つの審査課/審査チームを含み、総167人の審査官から成る。6つの審査課/審査チームは、半導体製造工程審査課、半導体設計審査課、ディスプレイ審査課、半導体素材審査チーム、半導体組立工程審査チーム、及び半導体製造装備審査チームである。
[推進団の組織構成]
6つの審査課/審査チームは既存の半導体技術分野の審査官136人と、今年3月に新規採用された半導体民間専門家30人で構成される。従来様々な半導体関連審査課に分散されていた審査官と、新規採用された民間専門家出身の審査官とを戦略的に集中させることで、審査期間を加速化し、審査品質を向上させ、半導体関連技術に対する体系的な保護を提供できることと期待される。
▶ 半導体関連特許出願を優先審査対象に追加
2022年11月1日付で韓国特許庁は、優先審査に対する特許法施行令第9条を改正した。当該改正により、「半導体など国民経済及び国の競争力強化に重要な先端技術に係る特許出願」が優先審査の対象として追加されており、優先審査の具体的な対象を指定し且つ優先審査申請が可能な期間を決定する権限が特許庁長に付与された(特許法施行令第9条第1項第2号の3参照)。
改正された特許法施行令第9条により、特許庁長は半導体技術に係る特許出願が優先審査の対象として指定されたことを公告した。これによれば、半導体特許出願の優先審査は2022年11月1日から2023年10月31日までに優先審査申請された出願に対して時限的に施行し、その後優先審査制度を延長するか否かが検討される予定である。
優先審査の対象は、半導体技術と直接関連された出願でありながら、次の基準を満たさなければならない。
1.CPC(Cooperative Patent Classification)システムによって半導体関連特許分類が主分類として付与された出願であること。該当CPCは次の通りである。
H01L(半導体素子、製造)、
G11C(半導体装置関連回路(駆動))、
G01R(半導体装置検査)、
H05K(印刷回路基板)、
H01S(半導体レーザー)、
G03F(フォトリソグラフィ工程(半導体製造関連))、
C23C(蒸着工程(半導体製造関連))、
H01J(プラズマ工程(半導体製造関連))、
B24B(研磨工程(半導体製造関連))、
B41J(インクジェット印刷(半導体製造関連))、
C30B(単結晶成長(インゴット関連))
2.半導体関連製品・装置等を韓国内で生産するか生産準備中の企業の出願、半導体技術関連国家研究開発事業の結果物に関する出願、又は「国家先端戦略産業の競争力強化及び保護に関する特別措置法」に基づく半導体特性化大学又は大学院の出願であること。
韓国で開発又は製造される半導体技術分野の特許出願に対して優先審査を申請する場合、平均2.5ヶ月で特許審査結果を受けることができ、これは以前に比べて約10ヶ月早いことである。
韓国特許庁は、半導体関連特許出願を優先審査対象に追加し、半導体関連特許出願に対する専担審査組織を設立することで、審査期間の短縮及び審査品質の向上を期待している。